結膜がたるんでも不快感がない人も
たるみは、結膜が眼球から徐々にはがれることで生じます。60歳以上の98%の人にみられるという報告もあります。
年をとれば誰でも結膜はたるむのですが、その程度と不快感は比例しません。結膜弛緩症は長い年月をかけて進行するので、たるんでいてもその不快感に慣れてしまい、気にならない人もいるからです。結膜のたるみが大きいからといって、すぐに治療しなくてもいいのです。
人は、外界からの刺激の8割を目で感知しています。その重要な器官にトラブルがあると、生活の質が大きく低下することが分かっています。たるみの程度よりも症状があるかないか、どのくらい生活に悪影響が出ているかが治療を始めるポイントです。
結膜弛緩症の治療は、まずは目薬をさして、様子をみることから始めます。目が乾いていると、結膜と眼球の摩擦が増えて症状が現れるので、それを目薬で防ぎます。基本の目薬は、涙の成分に近い人工涙液。そのほか、目の表面に涙を広げて傷を治すヒアルロン酸や、充血や炎症を抑える目薬も使われます。
目薬を1~2か月点眼して改善しなければ、たるんだ結膜を除去する、手術という選択肢も考えられます。手術は保険適応で、日帰りが可能です。ドライアイなど別の病気を併発していない限り、結膜弛緩症は手術で完治する可能性のある病気です。